車の査定額が買取会社によって異なる理由とは?
車を売却するとき、査定士と呼ばれる査定のプロが、車の状態を点検して評価を行います。査定士は日本自動車査定協会の会員で、査定協会が定める基準のとおりに査定評価をおこなっています。
査定額を決定するプロセスとして、車種ごとに定めている「基本価格」を元に算出します。
特に問題が無ければ「基本価格」が査定額となりますが、中古車は個々の車両で走行距離や傷、ヘコミなど差があります。
査定では、この”個々の状態”をチェックし、良し悪しを点数にした「加減点」を付けます。基本価格と加減点を足した結果が、査定額となります。
査定額 = 基本価格 + 加減点
基本価格とは?
中古車の価格は日々変動しています。車種によって人気がある車は値段が下がりづらいし、人気の無い車はどんどん下がっていきます。また、年式も古ければ古いほど値段が下がる要因になりますし、例えば夏といえばオープンカーのように、季節によって需要が増す車種も存在します。
査定協会は、日々変動する中古車の価格を、市場の実績をみて「基本価格」を設定しています。基本価格は月に1回更新されています。
査定士は、この基本価格を元に査定を行います。査定価格は一種の「モノサシ」の役目をはたしているため、どの地域の買取会社で査定をしたとしても、均一の査定額を出すことができています。
なお、基本価格となる車の状態は次の7つの条件を満たしていて、条件を満たす状態の車を「標準的な状態」と位置づけてます。
- 外装に傷が無いこと
- 事故や改造歴が無いこと
- 車検が3か月以内残っていると
- エンジンが良好であること
- 標準的な走行距離であること
- 足回りが良好であること
- タイヤの残り溝が1.6mm以上残っていること
加減点とは?
「標準的な状態」の車を基準として、基準を上回れば加点(プラス査定)、下回れば減点(マイナス査定)として点数をつけます。
外装 内装 | 電装 | エンジン 足回り | 装備品 | タイヤ | 走行距離 | 車検残 | 自賠責残 | 修復歴 | その他 | |
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加点 | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ||
0点 | 標準状態 | |||||||||
減点 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
例えば、3年落ちの車の走行距離が2万kmで加点、3万kmで±0点、4万kmで減点となります。
タイヤの残り溝は、5mm以上で加点、5mm未満~1,6mmで±0点、1,6mm未満で減点となります。
査定額の決定
査定額は、基本価格と加減点で算出され決定されますが、買取会社によって実際の査定額が異なります。
これは買取会社の儲けをどれくらいとるかで各社の意向が異なるためです。会社の儲けの中に宣伝広告費や人件費なども含まれます。会社規模によって経費の幅がことなるため、査定額に差がでてくるのです。
また、買取しても整備費用がかさむ車や、なかなか売れない車は在庫となる可能性があり、それらリスクの考えも各社異なるため、査定額に差を生む要因となっています。
要は、買取会社が強く「買いたい!」と思えば強気の査定額を出しますし、リスクを感じれば消極的になるということです。この点が各社の裁量になるので、査定に差がでてきます。
査定をする際は、1社だけではなく少なくとも2,3社依頼して査定額を比較したほうが得をする理由はこの裁量の部分があるためです。