車の査定の基準とは？　知って得する査定の知識

人間にも身長や年齢、性別によって最適な体重や血圧があるように、車にも車種や年式によって標準的な状態が定められています。

この標準的な状態というのが上記の７項目を満たす車を指します。査定の時はこの「標準的な状態」と、あなたの車を比較してプラスかマイナスかを調べます。

このプラス・マイナスを調べることが「査定」の基本的な流れになります。

査定に影響する７つのポイント

①外装に傷が無い

査定の際はこの協会が定めた「減点査定法」という方式が使われています。この減点査定法で、傷の査定は以下のようになっています。表を見て驚くかもしれませんが、１ｃｍ未満の傷やヘコミは査定に影響がありません。

⇒車を売るとき外装の傷は直した方がお得？！

②事故や改造歴が無い

事故車や改造車は相場より安く取引されるため、査定価格も低くなります。事故車の場合、以下の項目別で損傷の程度により減点が決まります。

⇒修復歴車とは？

③車検が残り３か月以内

上記９項目は車の骨格にあたる部分で、これが破損しているとまっすぐ走らなかったり、安全性に難があります。
これらが破損した車は「事故車」、すでに修復された車は「修復歴」となります。

車検の残存が多ければ多いほどプラス査定になると思いがちですが、実は３か月以内が「標準的な状態」となっています。理由は買取会社が車を買取り、その後転売されるまでに在庫として残るリスクがあるためです。在庫として残った場合は自動車税と自賠責保険のコストがかかることになります。

ただし、３か月以上車検が残っているとマイナス査定なのかというとマイナスにはなりません。逆を言えばプラスになることもないため一番得をするのが車検が３か月未満になったときに売却することと言えます。

 ④エンジンが良好

主に以下のポイントで問題なく動いていることが標準的な状態です。

・セルを回したときに、エンジンが正常に作動すること。
・エンジンをかけたときに異音がしないこと。
・エンジンの回転数が一定であること。

 ⑤標準的な走行距離

月間で１，０００ｋｍが標準的な状態になります。１年間で１．２万ｋｍ以上走行する場合はマイナス査定になります。なお、走行距離が１０万ｋｍ前後を超えると、大幅なマイナス査定となります。

⇒走行距離は査定にどれくらい影響するか？

⑥足回りが良好

年式や走行距離に比例してブレーキやサスペンションに傷やサビ、腐食などが原因で劣化してきます。劣化が見られると減点の対象になります。

⑦タイヤの残り溝が１．６ｍｍ以上

１．６ｍｍ未満になるとタイヤの「スリップサイン」が露出します。この状態になるとタイヤの交換時期になります。

買取会社によって、査定価格に違いがある？

査定は、車の状態を正しく見極めて、市場でどれくらいの価値があるかと比較して価格を決める重要な仕事です。
査定の基準が業界内でバラバラだと、中古車市場の公平性が無くなり混乱してしまいます。

そのため、適正な査定を推進するために査定協会が制度をつくって公平になるようにしています。買取価格に差が生じることがあっても、全国どこの買取店であっても査定価格はほぼ違いは無いといえます。

査定は、中古車の価格を決める重要な仕事であるだけに、その考え方や方法に色々なものがあると、社会が混乱することになります。査定協会では「中古自動車査定制度」を設け、自動車販売事業者と共に、適性査定の定着、浸透を図っているため、査定に差がでることはほとんどありません。

ただし、買取会社の規模によって、人件費や広告費など買取にかかるコストが異なります。そのコスト分が査定価格に影響を及ぼすので結果的に買取価格に差がでることになります。

⇒買取専門店によって査定価格にどれくらいの差が出るか？