評価損（格落ち）した事故車を高く売る方法

現在の国産車のボディは、車がぶつかった時に衝撃を吸収する「モノコック構造」が採用されています。モノコック構造は車の骨格全体で衝撃を吸収するため、車内への衝撃を最小限にとどめることができます。

しかしモノコック構造の弱点は、一度骨格が破損すると、もとの状態に戻すことができません。

修復歴車は買取評価が大幅に下がる

骨格が一度でも破損した車は「修復歴車」と呼ばれ、大幅なマイナス査定の要因となります。

事故を起こした車は一般的に「事故車」と呼ばれていますが、事故車がすべて「修復歴車」とは限りません。

修復歴のありなしの判断は、次の８つの骨格に限ります。

「修復歴（事故）車かどうかの判断は損傷の状態で決まる」にてご説明しておりますが、これら８つの部分であっても、小さな傷や凹み程度の破損であれば、修復歴にカウントされません。

修復歴ではない場合の査定は通常の範囲で加点・減点を行い評価されます。同じ事故車であっれも修復歴車と判断された場合は、大幅に査定評価が落ちてしまいます。

保険会社は評価損の認定に消極的

交通事故の被害者となった場合、保険会社を相手に被害車両の修理代金（損害賠償）を請求することになります。

損害賠償額は、事故にあった車の基本価格が上限となります。基本価格とは、車種、年式、走行距離、色などの基本情報から、いま中古車としていくらで売れるかを市場相場から算出した価格です。

ただし、基本価格では、傷や凹みが無い状態を前提に算出されています。修復歴車の場合は大幅に査定額が減額してしまいます。

修復歴車は例え綺麗に修理したとしても、モノコック構造である以上、もとの状態に戻すことができません。そのため損害賠償で修理代をもらったとしても、車の価値は大幅に低くなってしまいます。

事故で修復したとしても、車の価値が下落してしまうことを評価損（格落ち）と言います。

これでは被害者が損をしてしまうことになるので、評価損を請求することも可能です。

評価損（格落ち）の請求方法

保険会社としても無駄なコストは抑えたいため、評価額の支払いは消極的です。そのため請求に関して裁判もよく行われています。

評価損は、実際にいくら損をしているのかを立証する必要があります。よく裁判でも使われているのが日本自動車査定協会（JAAI)が発行する「事故減価額証明書」です。

この証明書は第3者機関の証明のため効力を有しますが、評価損を請求できるかは事故の事例などで異なるため、100％ではないことをご了承ください。

全損の場合は評価損の請求はできない

被害車両の破損が深刻な場合、基本価格より修理代が高くなってしまう場合があります。修理代の方が高くなる場合は「全損」扱いとなります。評価損はあくまで修理できることが前提なので、全損の場合は評価損の請求はできません。

評価損（格落ち）を高く売る方法

格落ちした車を修理するか、売却するかは非常に悩ましい問題です。一番有効なのは、修理費用と買取査定額をそれぞれ見積もりを依頼し、一番有利な条件を選ぶことです。

車の査定額は、修復歴車かどうかで評価が大きくことなりますが、中古車市場の相場も日々下落しているため、少しでも売ることを考えたら早めに査定することをお勧めします。

査定の依頼は一括で可能で、申込み自体は数分で完了します。見積もりは無料なので1社でも多く査定依頼することで、価格の比較をすることができます。

もちろん査定してもらったとしても、断ることもできます。一番高い価格を付け、納得のいく買取会社へ売ることが「高く売る」方法です。