ブレーキから「ガガガ」と音がする3つの原因と対処方法
走行時にブレーキを踏むと「ガガガ」など異音がする場合があります。
異音がエンジンをかけた直後に出るのか、あるいは毎回ブレーキをかけた時に出るのかで原因が異なります。
異音がでる原因と対処法
ブレーキを踏んだ時に出る音の原因と対処方法をご紹介します。
音の感じ方は人それぞれ違い、また車種によって特徴に違いがあるため、音だけで原因を確実に特定するのは難しいものです。
原因がわからない時はできるだけ早くディーラや整備工場へ検査を依頼しましょう。
原因1.ブレーキパッドの摩耗
ブレーキパッドはブレーキの制動力を得るための部品です。円盤のブレーキディスクにピストンにブレーキパッドを挟むことで摩擦を得てることで車は止まることができます。
現在の車は重量が1トンを超える車種も珍しくなく、重量の重い車が高速走行時で急ブレーキをしたときのエネルギーは半端なものではありません。
すべての制動力は、ブレーキパッドとディスクで成り立っています。
走行を続けるうちに、少しずつブレーキパッドの表面が削られていきます。表面が2mmを下回ると十分な制動力を得られなくなるため、交換が必要になります。
(ブレーキパッドの交換はは走行距離3万km~4万km毎が目安)
近年のブレーキパッドのほとんどは、パッドウェアインジケーターと呼ばれるものが取り付けられています。
残量が少なくなるとパッドウェアインジケーターが表面に出てきて直接ブレーキディスクと接するようになります。
パッドウェアインジケーターが接すると、ブレーキをかけたときに「キーキー」と音が出る仕掛けになっています。キーキーと音が出たら交換時期のサインです。
このキーキー音が出ている状態のまま数か月走行を続けると、「ガガガ」という音が出始めます。
これはブレーキパッドの表面がすべて削られている状態であり、非常に危険です。
この状態になるとブレーキの制動力が著しく低下するためブレーキが効かず大きな事故を起こすことにつながりかねません。
また、ブレーキパッドだけではなく、ブレーキディスクも破損している可能性が高く、その場合は多額の修理費が必要になります。
原因2.モーニングロック現象
ブレーキパッドの摩耗の次に考えられるのは「モーニングロック現象」と呼ばれる現象です。
ブレーキディスクの表面はすぐに錆がついてしまいます。
数日乗っていなかったりした場合に特に錆が付きやすいことがあり、錆が付いた状態で走行しブレーキを踏むと錆が滑り止めの役割をすることがあります。
滑り止めの役割をするので通常よりブレーキの効きが強く感じることがあり、この現象を「モーニングロック現象」と呼ばれています。
モーニングロック現象が出ている時にブレーキを踏むと「ガガガ」と音がするケースもあります。
なお、錆は走行するうちに自然と取れてブレーキの性能も通常に戻りますので特に心配はいりません。
原因3.ABSの作動
ABSは、アンチロック・ブレーキシステムの略称で、急ブレーキをかけたときにタイヤがロックされて滑るのを防止するための装置です。近年の車はほぼ全車種に標準装備されている安全装置ですね。
ブレーキを強く踏むとABSが作動します。ABSが作動すると、ブレーキペダルが細かく振動します。
また作動時に「ガガガ」や「グググ」と音がでることもあります。いずれの音もABSが正常に作動している証拠なので故障ではありません。
音の原因がわからない時は早めの検査を
モーニングロック現象やABS作動など音が出る原因が故障ではないケースもありますが、ブレーキパッドの摩耗などが原因の場合は早急に対処が必要になります。
特にブレーキパッドやディスクの状態を確認するには、タイヤを外す必要があるため外見からは判断ができません。
少しでも「おかしいな」と感じたら、早めにディーラや整備工場へ検査を依頼することをお勧めします。