マフラーから水が出るのは排気系が正常な状態
マフラーから排出される水は、ガソリンが燃焼したときに発生する水です。
水が出るのはガソリンエンジンであれば当たり前の現象です。故障ではなく正常な状態なので心配いりません。
ただし水の量があまり多いようだとマフラーに錆が発生し、穴開きやパイプの脱落する可能性もありますのでいくぶん注意が必要です。
マフラーから水が出る理由
ガソリンの燃焼で水ができる原理は、ガソリン内の水素(H)が空気中の炭素(O)と反応し水(H2O)ができるためです。小学校の頃に理科の授業で習ったのを覚えている方も多いと思いますが、同じ作用が働いています。
理論的にはガソリン10リットル燃焼すれば10リットルの水分がでていることになりますが、ガソリンの燃焼は600度と非常に高温になるので、ほとんどが水蒸気となり排出されます。
しかし寒冷地や走行距離が短くマフラーのパイプ内の温度が低いときは排気ガスが冷やされて水蒸気が液化することがあります。マフラーから水がでるのはこの液化した水が排気ガスの風圧に押されて排出されてきているのです。
ガソリンの水抜き剤との関係
ガソリンタンクに溜まる水を抜くために「水抜き剤」を入れることがあります。これはガソリンタンク内に発生する空気中の結露を取り除くために行うもので、マフラーから出る水とは関係ありません。
なお余談ですが、近年の車の燃料タンクは鉄製ではなく樹脂製が採用されていますので錆びることはありません。鉄製だと結露により水がたまると錆びる原因となっていましたが、現在は水抜き剤を入れる必要がなくなってきました。
マフラーの水がもたらす故障とは?
マフラーから水が排出されるのは排気系が正常な証拠でありますが、すこしやっかいなのは排出されずにマフラー内部にたまってしまう水です。
最近のマフラーはステンレス製なので錆びにくくなっていますが、年式や車の仕様環境によっては錆がついてしまうことがあります。錆びる速度は鉄製とくらべるとはるかに遅いですが、高年式の車は時々錆がないかチェックしてみましょう。
錆があるとマフラーに穴が開いたり、パイプのつなぎ目が裂けたり、あるいは脱落してしまうことがあります。
小さい穴開き程度であれば、アマゾンなどで売られているマフラー用の補修材でDIY補修できます。
パイプのつなぎ目が裂けたり脱落した場合は、程度によっては溶接で補修できます。あまりにも腐食がひどいときは溶接できないため、新品あるいは中古のマフラーと交換が必要になります。