左ハンドルは走行に注意が必要な理由
一昔まで輸入車(外車)といえば左ハンドルが当たり前でしたが、近年は状況が変化しています。
輸入車の新車販売実績は全体の約9%で年々伸びていますが、右ハンドル仕様が全体の約80%を占めています。輸入車のグレードにもよりますが、国内の販売では右ハンドル仕様しか選択できない車種も多くなってきました。
左ハンドルのデメリット
国内の輸入車の左ハンドル率が減っている理由は、何といっても「運転のしやすさ」があげられます。右側通行の日本で、左ハンドルの車を運転することのデメリットは次の通りです。
1.右折が危ない
交差点にて右折をする場合、対向車も右折をする場面では視界を遮ってしまうため危険を感じます。徐行しながら進めば安全に右折ができますが、右ハンドルよりも対向車に気づくタイミングが遅くなるため、慣れないうちは走行にストレスを感じることがあります。
2.左カーブが危ない
左側走行は、右ハンドルであっても視界が遮られるため危険予測が難しいケースがありますが、左ハンドルの場合、右ハンドルより視界が遮られてしまいます。
左カーブを走行中に歩行者がいた場合、左ハンドルの場合だといきなり視界に歩行者が飛び込む感覚になります。スピードを出している時には特に注意が必要です。
3.追い越しが危ない
片側一車線の道路でバスを追い越す場合など、右ハンドルでは右に寄せれば対向車が来ているかどうかがすぐに分かります。しかし左ハンドルではバスが視界を遮ってしまうためとても危険な状況になります。
無論、バスを追い越さずに停止し待っていれば問題ありませんが、左ハンドルが理由で追い越しができない状況となり不便です。
4.駐車券が不便
高速道路の料金所など、左ハンドル専用の精算機が取り付けられているところも多くありますが、小さなスーパーやコインパーキングなどは左ハンドルに対応していないことがあります。
左ハンドルに対応していない場合は、助手席の人に頼んで精算するか、車から降りて助手席側に回り精算する必要があります。
左ハンドルのメリット
路肩ぎりぎりまで寄せることができる
左ハンドルがゆえに、左側の視界に優れています。そのため狭い道で対向車にすれ違う場面いおいても、左ぎりぎりに寄せることができます。
また、歩行者や自転車の走行に一番近い距離であるため、衝突を避けやすく安全に走行ができます。
輸入車としての風格を維持できる
中高年の年齢層にとって、輸入車といえば左ハンドルである概念が浸透しています。左ハンドルの輸入車に乗ることは一種のステータスであるため、いえば輸入車に乗るのにわざわざあ右ハンドル乗るメリットが無いとも言えます。機能性よりステータス重視を満たすことができます。
輸入車の新車販売の80%は右ハンドル
左ハンドルのメリットとデメリットを列挙すると、メリットが少ないことがわかります。左ハンドルの運転は慣れてしまえばそれほど気になるほどでもありませんが、新車番販売の80%が右ハンドルの実績を見ると、市場が左ハンドルを敬遠していることがうかがえます。
メーカでも下位クラスではそもそも右ハンドルのみしか取り扱っていないケースがあります。
例えばBMWの場合は、1~3シリーズまでは右ハンドルのみの販売で、それ以上のシリーズから左右選べるようになります。
右ハンドルの需要が多いことと、左右のラインアップで無駄な経費を抑えたいメーカの意向もあって、新車販売の80%が右ハンドルという結果になっています。
売却するときは右ハンドルのほうが高く売れる
輸入車を売却するときの話ですが、日本ではBMWやメルセデスベンツのような人気車種は別として、輸入車の買取査定評価が大幅に下落する傾向にあります。
輸入車は国産車より相場の変動が激しいため、日ごとに大きく変化します。変動が激しい理由の一つに、輸入車はマイナーチェンジの周期が早いことがあげられます。マイナーチェンジがされると、旧モデルは大幅な査定額の下落を招きます。
また、国内の中古車市場では輸入車の販売ルートが少ないために、買取会社も査定に弱気になる傾向にあります。
国内で中古車として売る場合は当然、右ハンドル仕様が高く評価されますが、輸出する場合は左ハンドルが高く評価されます。
ただし国内の場合、右ハンドルであっても過走行車であると査定評価が付かないこともあります。
一方海外への輸出は10万km以上であったとしても過走行とはならないために国内以上に高く評価されます。