タイヤがバーストする原因「スタンディングウェーブ現象」とは?
走行中に車体がねじれるような、ゆるい振動を感じたらタイヤに「スタンディングウェーブ現象」の発生が考えられます。
スタンディングウェーブ現象が発生したまま走行を続けると、タイヤがバーストしてしまう可能性が高くなり非常に危険です。
しかしながらスタンディングウェーブ現象は体感しづらく、バースト直前まで気づかないことが多い現象です。
スタンディングウェーブ現象とは?
タイヤは車の重さを支えているため底が押しつぶされへこんでいる状態になっています。
タイヤはゴムなどの素材が組み合わさっているためとても弾力性があり、タイヤが回転するとへこんでいた部分が車の重さから解放されて元の状態に戻ろうとします。
正常なタイヤであれば元にもどりますが、空気圧が不足していたり過積載などが原因で元に戻らず回転し続けることがあります。この現象をスタンディングウェーブ現象といいます。
イメージがしづらいと思いますので、実際の動画を見ていただければと思います。
動画では空気圧が低いことが原因で、スタンディングウェーブ現象が発生しています。
タイヤの底に複数のたわみが固まっているように見えますが、実際は回転しているためタイヤ全体がたわんでいるのです。
ウェーブ現象を引き起こす3つの原因
危険をはらむスタンディングウェーブ現象ですが、原因となるポイントは主に次の3つになります。
- タイヤの空気圧を規定値に保つ
- 過積載・片荷(偏った積載)を避ける
- 適正なタイヤを選ぶ
ひとつずつご説明しましょう。
タイヤの空気圧を規定値に保つ
JATMA(日本自動車タイヤ協会)の調査によると、約18.5%の車が空気圧が不足しているとのことであり、知らず知らずのうちに規定値を下回ってしまいます。
というのも空気圧は自然と抜けてしまうことが原因で、一般的な乗用車であれば1か月あたり5%~10%(10kPa~20kPa)が低下すると言われています。
タイヤの空気圧を保つためには定期的にチェックを行うことが大切です。
過積載・片荷(偏った積載)を避ける
基準値を超える過積載や片荷をするとタイヤに負荷がかかり、上述の空気圧不足と同じ症状に陥ります。
また過積載や片荷は走行時にタイヤが受ける衝撃を増大させてしまうためバランスを崩しやすいだけでなく、バーストを引き起こしやすくなり危険です。
適正なタイヤを選ぶ
タイヤ前後で異なる銘柄やタイプのタイヤを装備し走行をし続けると、グリップ性能の違いから編摩耗を引き起こす可能性があります。
また、高速走行時に性能の違いがあるときに一方が性能が劣っている場合、負荷が高くなります。スタンディングウェーブ現象を引き起こすタイヤの歪は高速走行時に発生しやすいため、性能が劣っている場合に発生する原因となります。
日常的に高速走行をする場合は特にタイヤ前後のバランスを整えることはもちろん、高速走行に適したタイヤを選ぶことが大切です。
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