タイヤの適正な空気圧を知る
ハイブリッドカーなど低燃費な車が普及し、リッター40キロ走る車も登場してきました。
低燃費を実現するのはエンジンや電気を蓄電・放出するハイブリッド機能によるところが大きいですが、タイヤの空気圧を気にされている方はどれくらいいるでしょうか?
当たり前の話ですが、タイヤの空気圧が低いと地面との接地する面積が増えるため摩擦力が増えて燃費が悪くなってしまいます。
タイヤの空気圧は自然と抜けていくものなので安全に走行するためにもときどきチェックする必要があります。
適切な空気圧とは?
タイヤの空気圧は車種により異なります。車種ごとの適正な空気圧を「指定空気圧」と呼ばれ、一般的に運転席ドアの開口部などにシールが貼られて記載されていますのでチェックしておきましょう。
もしわからない場合は取扱説明書に記載されていますし、自動車メーカーのウエブサイトで検索するとわかります。
インチアップなどでタイヤサイズを変更している場合は、推奨される空気圧が異なります。適正な空気圧はブリジストンのページで「タイヤサイズ」と「標準装着サイズ」を入力することで調べることができますのでご参考にしてください。
空気圧は国産車の場合、「kPa」と「kgf/㎠」の単位で表記されているのが一般的です。輸入車の場合は「PSi」や「ber」の単位で明記されていることが多いです。
空気圧は自然に低下する
タイヤそのものはゴムでできていますが、内部に空気が透過しにくいようシートが貼られています。
しかしながらシートより空気の方が分子が小さいために、どうしても時間とともに自然と漏れてしまうのです。
一般的な乗用車であれば1か月あたり5%~10%(10kPa~20kPa)が低下すると言われています。
JATMA(日本自動車タイヤ協会)の調査によると、約18.5%の車が空気圧が不足しているとのことであり、知らず知らずのうちに適正値を下回ってしまうのです。
空気圧が低いとどうなる?
SUVなどで悪路を走行するときに、グリップを向上させるために意図的に空気圧を抜くことはありますが、一般的な走行で空気圧が低いと次のトラブルを招きます。
- 燃費が悪くなる
- 編摩耗(両側溝)によりタイヤの寿命が短くなる
- 発熱が増えて破損することがある
タイヤと地面の接地面積はハガキ一枚分くらいが適正です。
空気圧が低いと接地面積が広がる分、編摩耗や発熱などタイヤに負担がかかるため寿命が短くなってしまいます。
場合によっては破損し思わぬ事故につながりかねませんので注意が必要です。
空気圧が高いとどうなる?
空気圧が低いと問題ですが、逆に高すぎてもトラブルの原因につながります。
- 乗り心地が悪くなる
- 編摩耗(中央部分)によりタイヤの寿命が短くなる
- ドレッド面が傷つきやすくなりバーストする可能性が高くなる
空気圧が高すぎるとタイヤがショックを吸収する力が劣ってしまいます。
特に傷がつきやすくなる点は問題で、走行中にバーストするとハンドル操作を誤り大事故につながる可能性がありますので注意が必要です。
空気圧の点検と調整方法
空気圧は自然に漏れてしまうため、できることならガソリンを給油するタイミングなど月1回はチェックするよのが理想です。
また、走行してタイヤが熱い状態だと空気圧も変動してしまうため冷えている時に計測することが大切です。
空気圧は指定値を下回らないようにして、上限は10%程度に届けることがポイントです。合わせてスペアタイヤもチェックすると万全でしょう。
窒素ガスを入れるのは有効
ガソリンスタンドやカーショップで窒素ガスの補充を勧められる機会が多くなりました。
窒素ガスは空気よりも自然に漏れる量が少ないため、空気圧をこまめに入れる手間が省けるメリットがあります。
ただし窒素ガスをいれることで「乗り心地が向上する」や「燃費が良くなる」というのは化学的な根拠がありません。
定期的に普通の空気圧充填をしていれば窒素ガスは不要といえるでしょう。