ABSが故障していても車を高く売る方法
ABS(アンチロック・ブレーキングシステム)は、オプションとして40年以上の実績がある装備です。1990年代までは高級オプションとして30万円程度の価格でしたが、近年ではほぼすべての車種・グレードで標準装備されています。
ABSはシートベルトやエアバックと同様、安全走行するために無くてはならない装備ではありますが、法律的に義務化はされていません。ただ、バスやトラック、バイクは義務化されていますので、ゆくゆく乗用車も義務化の道にいくのではないかとおもいます。
ABSの故障と修理
ABSが故障した場合、「ABS警告灯」が点灯します。
点灯した時点で故障のコード番号が電子制御ユニット(ECU)に記憶されます。コードの解読はディーラーや修理工場でしかわかりませんので確認を取る必要があります。確認ができた時点で修理が必要な個所が判明します。
故障の部位 | 交換費用 |
---|---|
センサー類 | 5千円~2万円 |
モジュレーター | 10万円~13万円 |
ABSユニット | 12万円~15万円 |
上記表のとおり、故障した部位により交換が必要になります。ABSの故障個所を特定する作業は手間がかかるため、ディーラーや修理工場によってはABSに関わる全てのパーツを交換とする場合もあります。その場合は40万円~50万円の費用を要す場合もあります。
ただし、ABSが正常に稼働していなかったとしても違反ではないので、車検も問題なく通ります。また、ABS警告灯が付いている状態は、通常のブレーキの使用に問題がでない仕組みになっています。そのため、高額な修理費が必要な場合は放っておく手もあります。
しかし故障している状態では、ABSが正常に作動しないことになるので安全性に問題があるので、そのまま走行を続けるのはおススメできません。
ABSの査定評価
ABSの修理費が高額になってしまう場合は、その車の年式や走行距離によっては乗り換えの検討をするタイミングでもあります。
1年 | 2・3年 | 4・5年 | 6年~ | |
---|---|---|---|---|
Ⅰ~Ⅳ | 30 | 20 | 10 | 10 |
軽 | 20 | 15 | 10 | 10 |
上記は日本自動車査定協会が定める、ABSの査定評価の基準です。基準では、車のクラス(Ⅰ~Ⅳなど)と年式により評価がわかれています。点数は1点につき約1,000円です。
例えば、ホンダのN-BOX(軽クラス)が1年落ちの場合、20点(約2万円)のプラス査定になります。
故障している場合は、故障の程度により修理費用分のマイナス査定になります。
査定の前に修理しておいた方がお得?
ABSが故障している場合は、修理して乗り続けるか、あるいは売却するか悩ましいところではあります。
年式の古い車や走行距離の多い車の場合は特に、高額な修理費を払ってまで乗り続ける価値があるかどうか疑問も感じてしまいます。
仮に車を売る場合、故障した状態で買取査定に出すと、修理費用が必要になるのでその分のマイナス査定は避けられません。
では事前に修理を済ませてから査定に出した場合、当然修理は必要無くなるのでマイナス査定を回避することができます。
しかし、自分で修理した費用以上に、査定額として戻ってくることはまず無いと考えたほうがよいでしょう。ABSの査定評価では最も高い評価であったとしても30点(約3万円)程度しかなりません。故障した部位の交換費用と工賃を含むと、査定以上に費用がかかってしまいます。
ABSの故障に限らず、すべての車のパーツに言えることではありますが、査定では故障個所を修理しないで、現状のまま出した方が賢明な判断といえます。
修理費が高い場合は乗り換えも検討する
年式が高い車や走行距離が多い車は故障する確率が高くなります。修理費が高いと直すべきか悩みますよね…。
修理して乗り続けるのはコスパも良いですが、場合によっては売却して乗り換えたほうがお得なことも。
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