走行するとハンドルがガタガタ震える原因は「シミー現象」
走行中にハンドルが「ガタガタ」震えるのは、「シミー現象」の疑いがあります。
シミー現状は時速40km~50kmで振動する「低速シミー」と、時速100km~120kmで振動する「高速シミー」の2パターンあります。
シミー現象は、タイヤ周りのバランスが崩れている時に起こる現象です。放っておいても自然に直ることはありません。
放置した場合は事故につながる恐れもあるため、早めに対処が必要です。
シミー現象とは?
タイヤとホイールは重心が中心にくるよう設計されてますが、どうしても若干の誤差がでてきます。それは、タイヤとホイールはきれいな円ではなく歪みがあるからです。
歪みあると重心がずれて車のバランスが悪くなります。バランスの崩れた状態で走行すると、路面の段差などの振動がきっかけで車もガタガタ振動します。この現象がシミー現状です。
タイヤとホイールの部妙な歪みを解消するために、ホイールの周囲に小さな金属性のバランスウエイトを入れて調整しています。
このバランスウエイトは5g~10gとわずかな重さしかありませんが、この重さでバランスを整えています。
バランスを調整する作業は、業界用語で「位相合わせ」と呼ばれています。5g単位で調整するため職人の技量が問われ、素人がDIYでできる作業ではありません。
シミー現状を放っておくとタイヤやホイールだけではなく、振動により車の各部品に悪影響が出る可能性が高くなります。
安全に走行するために、早めにメンテナンスを受けましょう。
シミー現象が起きる原因
シミー現状が起きる原因で最もよくある事例は次の3つです。
タイヤを交換したばかり
タイヤを新品に交換したり、夏用・冬用タイヤを交換した直後にシミー現象が出た時は、まず位相合わせに問題があることが考えられます。タイヤショップによっては技量が足りない場合もあるので注意が必要です。
技量の問題であれば、時速40km~50kmの走行ですぐに低速シミー現象がでてきますので、早い段階で発見ができるでしょう。
また別の原因として、急加速や急制動により、バランスそのものがズレてしまうこともあります。
位相合わせでは、タイヤとホイールが組み合わさる部分にクリーム状の「潤滑剤」を塗ります。この潤滑剤が乾かないうちに急加速や急制動を繰り返すとバランスが崩れてしまうことがあります。
ホイールに雨水が溜まっている
ホイールの内側などの溝に、雨水が溜まってしまうことで、バランスが崩れてしまうことがあります。
雨天の場合に起こる症状なので、この場合は自然に解決することができます。
タイヤの劣化による変形
ここ数日にタイヤを交換したことがない車で、長期間走行をしていない車がシミー現象を起こした場合はタイヤの劣化による変形が考えられます。
タイヤは経年劣化によりゴムが硬化してしまいます。長い間走行していなかった車は一部分に車重が偏ってしまい、タイヤの形が変形してしまうことがあります。
変形した状態ではバランスが整わないため、シミー現象が起きてしまいます。