修復歴（事故）車かどうかの判断は損傷の状態で決まる
車の価値を大きく左右する要素として、修復歴のある車（事故車）があげられます。
修復歴のあり・なしは、安全に走行するために重要な車体のフレーム（骨格）部位の損傷あるいは交換したかが判断基準になります。
修復歴あり・なしの判断基準
修復歴車かどうかの判断基準は、日本オートーオークション協議会が定める修復歴基準が採用されています。また、修復をしていない状態の「現状車」も同じ基準が適用されます。
次の表のとおり、該当する骨格部分の修復状況により修復歴車かどうかが判断されます。
| No | 骨格部位 | 修復歴となる状態 | 修復歴にならない状態 |
|---|---|---|---|
| 1 | クロスメンバー | １） 交換されているもの ２） 曲がりや大きな凹み、修理跡があるもの | ① 小さな凹みや修理跡があるもの ②突き上げによる凹みや傷、修理跡があるもの |
| 2 | サイドメンバー | １） 交換されているもの ２） 曲がりや凹み、修理跡があるもの | ① コアサポートより前方かリヤエンドパネルより後方部分の損傷や修理跡があるもの ② けん引フック取付け部の損傷や修理跡があるもの ③ バンパーステ―取付け部の損傷や修理跡があるもの ④ 突き上げによる凹みや傷、修理跡があるもの |
| 3 | インサイドパネル・ダッシュパネル | １） 交換されているもの ２） 曲がりや凹み、修理跡があるもの | ① コアサポートより前方に凹みや修理跡があるもの ② 軽微な凹みや修理跡があるもの |
| 4 | ピラー | １） 交換されているもの ２） 曲がりや凹み、修理跡があるもの ３） スポットの打ち直しがあるもの | ① 外部に露出している部位に凹みや修理跡があるもの ② ボディーサイドシルパネルの交換時に生じる溶接修理跡があるもの ③ 外部や外板を介さない凹みや修理跡があるもの ④ 1BOX車等のルーフパネルからステップまで一体として露出しているパネル状センターピラー等のアウター部はピラーとしない |
| 5 | ルーフ | １） 交換されているもの ２） 曲がりや凹み、修理跡があるもの |
|
| 6 | センターフロアパネル フロアサイドメンバー | １） 交換されているもの ２） パネル接合部に、剥れや修理跡があるもの ３） 破れ（亀裂）があるもの ４） 曲がりや凹み、修理跡があるもの | ① 突き上げ等でパネルやメンバーに凹み、曲がり、軽微な破れや修理跡があるもの |
| 7 | リヤフロア（トランクフロア） | １） 交換されているもの ２） パネル接合部に、剥れや修理跡があるもの ３） 破れ（亀裂）があるもの ４） 曲がりや凹み、修理跡があるもの | ① リヤエンドパネル又はリヤフェンダー等の交換時に生じた損傷があるもの ② 軽微な凹み、破れや修理跡があるもの ③ スペアタイヤ等格納部の突き上げによる凹み、軽微な破れや修理跡がある |
| 8 | ラジエータコアサポート | 交換されており、かつコアサポートと隣接するインサイドパネルに凹み、クロスメンバーに曲がり、凹み、サイドメンバーに曲がり、凹み又はその修理跡があるもの |
修復歴車は査定評価が大幅に下がる
修復歴車と判断された車は、車が安全に走行するための重要な骨格部分が破損していることを意味します。
当然といえば当然ですが、修復歴のある車は、中古車市場での価値が大きく下がりますので、査定額も大幅に下落します。
修復歴車の減点計算
車の買取査定では、車の状態により点数を付けて評価を行います。修復歴車はマイナス査定となりますが、具体的には次の計算式を用いて減点を決めます。
基本価格
日々変動する中古車の価格を、市場の実績をみて「基本価格」を設定しています。基本価格は月に１回更新されています。
修理概算額
修理済みの場合は、みなし修理費として計算されます。未修理の場合は、見積もりの金額を元に計算されます。なお、概算額は車種のクラスと修理内容により細かく決められています。
例えば、軽自動車がピラー交換した場合、55万円の修理概算になります。
係数
損傷の程度により、車の価値に影響を及ぼすレベルに応じて係数の値が決められています。
値は、3段階で1.0、1.3、1,5のいづれかになります。
例えばフレームを修復した場合は「1.5」となります。
修復歴なしだけど損傷のある車の査定評価
傷や凹みある個所別で、損傷の程度（大きさ・深さ）により査定評価が異なります。損傷のサイズは「１ｃｍ～カードサイズ未満」、あるいは「カードサイズ～A4サイズ未満」が評価が異なる差になります。
なお、１ｃｍ未満の傷や凹みは査定に影響はしません。
⇒車のボディについた１ｃｍ未満の傷や凹みは買取査定に影響しない！
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